子は親を選べない

仕事が終わり、帰路につくため20時頃に電車に乗った。発車間際で入口付近は人でいっぱいだったが、車両奥の席の前だけ人がおらず、ぽっかりスペースが空いていたので、そこに進んだ。

すると、目の前の席に母親と幼児2人が座っていた。母親はスナック菓子をつまみながら一心不乱にスマホをいじっている。太っている。子供たちはというと、こちらもスナック菓子を食べながらスマホや携帯ゲーム機に夢中だ。母親は、スナック菓子がなくなるとリュックから新たな菓子を取り出し、自ら食べ、そして子供たちに与えていた。
子供たちは途中で満腹になって食べるのをやめたが、その後も母親だけは食べ続けている。おそらく、この親子の今日の晩ご飯なのだろう。子供たちが足を投げ出し、私の足を蹴っても、母親は何も言わない。

この様子を見て、私は涙がこみ上げてきた。子供たちが不憫でならない。残念ながら、この子供たちはダメな大人になる。いや、もしかしたら、これぐらいの方がたくましく育つのかもしれない。でも、人に迷惑をかける大人になることは間違いない。

世の中には、我が子を虐待して殺してしまうような親もいるので、今日見たこの子たちは、まだ幸せなほうなのかもしれない。でも・・・。子は親を選べないというけど、まさにそれを痛感した。

翻って、自分はどうか。同じ年代の子供を持つ親として、人のことをとやかく言えるだけのことをしているだろうか。子供たちの「遊ぼう」の声を真正面から受け止めているか。愛情と甘やかしを適切に区別できているか。

そんなことを考えながら家に着いたときには、もう子供たちは寝ていた。明日は仕事を早めに切り上げて早く帰ってこよう。